可笑しな頼まれ事

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さっきまで有ちゃんと普通に話していたのに、その彼が入院だなんて。 …どうしよう。 頭が全然まわらない。 聞きたいことはいっぱいあるのに、混沌としてて言葉すら出ない。 ただあの眩しい笑顔が消えてしまうんじゃないかって思った途端、全身から力が抜けて行くのが分かる。 「それでだな、お前に彼の世話をして欲しいんだ」 あまりにも突拍子もない話に、頭は真っ白になる。 世話って、なんのこと? そもそもなんで私が奏人くんのお世話を? そして次に言われた言葉は、更に信じがたいものだった。 「美咲のフリをして」
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