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【ごめんなさい】
「え?何が?」
…しまった。
さっそく、危険地帯に踏み込んでしまった。
どうしよう。
なんて言おう…。
【怒らせちゃったから】
咄嗟に書いてみたものの、これで突っ込まれたらもう一巻の終わり。
彼が口を開くまでの数秒が、とてつもなく長く感じて、手に汗を握る。
「ああ。うん、もう怒ってないから気にしないで」
良かった、本当…良かった…。
一命を取り留められた事に心から安堵したのも束の間、好奇心は隙を与えずに顔を覗かせる。
なんで、怒ったんだろう。
やっぱり、すごく気になる。
乗り切ったばかりなのに、また危険を犯そうとしている自分に呆れ返るが、どうやって聞いたら良いのかと思案していたら、あるものが目に入る。
奥の床頭台に置かれた、ペットボトルのぶどうジュース。
怪我してなお、嫌いな物を飲んでるなんて。
「どうした?」
あっ。
会話を止めていた事にも気づいて、考える事もなく"ぶどうジュース"と書いて、はっとする。
「ぶどうジュースがどうした?」
嫌いってこと、美咲さんは知っているのだろうか。
あれは私の時に言ってくれたことだし、ここは知らないフリをした方が賢明だな。
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