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「あっらー。そんな俺、魅力ないわけ?これでもモテる方なんだけど」
その軽さが玉にキズ、とは流石に言えない。
無言の訴えを試みたら、彼はやれやれと言いたげに首に手を当て、頭を左右に動かした。
「嫌いな理由、ねぇ」
「…はい」
「欠陥が浮き彫りになるから、かな」
「…血管?」
予想外の単語に、思わず声が裏返る。
血管が、浮き彫りになる?
な、なんで?
頭を血が上るほどに、むかつくから?
「欠落してるとかの欠陥ね。その頭で成績とか大丈夫なの?」
「…すいません」
成績は至って普通だけれども。
その答えになって無い返答をしたあなたこそ、大丈夫なのかと聞きたくなる。
続きを待っているが、一向に口を開く気配がない彼は残りわずかのコーラを飲み干し、ガラガラとストローから空音が洩れる。
「え…?終わり、ですか?」
「終わりましたけど」
…やっぱり、宇宙人とはまともに会話が出来ない。
本気で、痛感した瞬間だった。
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