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"終わりのない恋は悲劇"だと、誰かが言っていた。
そもそも、悲劇とは何だろう。
不幸せになることなのか。
それとも永遠と哀しみに暮れることなのか。
そんな風に感じたことがないのは。
きっともう、染み込んでしまったから。
永い歳月をかけて、自分ですら変化に気づけないほどに
ゆっくりと、でも着実に。
そして今では、微小な細胞でさえ呼応してると思えるくらい。
それも全て、"運命"の一つなのだと信じて疑わないほどに。
何一つ抗えず、ただ受け容れることしか出来ない自分は
落ちるところまで、堕ちてしまったのだろうか。
それでも、変わらない。
手遅れすぎて、もう、変われない。
いつから、この"洗脳"とも呼べる、薫染が始まってしまったのか。
それはまだ自分が浅はかで、人の傷など何も知らない頃の話。
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