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いつの間にか食べ終わっていた亮介は、容器と蓋をゴミ袋の中に入れて立ち上がった。
公園を出てからは帰り道が異なるため、いつもここで解散しているのだ。
「まぁ、頑張れよ」
頷いた後に、ハタと気付く。
まるで俺に頑張れって言ってるようじゃないか。
「いやっ、違うからなっ!」
「何が?」
「だから!今の話…俺じゃないから!」
「んなこと分かってるよ。別に他意はないから。じゃな」
慌てふためく俺を放置して、早々に帰って行った。
バレなくて良かったと胸を撫でおろす一方で、こんな話をしてしまうまでに自分は切羽が詰まっていたのだと思い知らされた。
そして動じることなく対応してくれた彼は、やはり只者ではない、の一言に尽きる。
帰宅後、風呂から上がってからも、亮介のストーカー脱却案について考えていた。
『普通に話しかけたりしたらいいだけだろ』
普通に、って言われてもなぁ…。
いきなり自己紹介するの?
それで、実は小3から知ってたって?
いやいや、それは怖過ぎないか?
さすがの俺でもちょっと引くんだけど…。
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