哀しい、粉雪

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「プレゼントの相談、乗ってくれてありがとうね、じゃまた明日ーっ!」 「うん、バイバイ」 ………お、い。 一縷の望みはガラス細工の友情と共に、呆気なく崩壊して。 嬉しそうに手を振りながら遠のいて行くその姿が、恨めしいとさえ思う。 あんな薄情者を、一瞬でも心友だと信じた自分が憎い…。 しずは足を止めて、帰って行くゆっちんをずっと見送っていた。 いつもにない行動を不思議に思いながら、よく観察すると昔、文房具屋で親子を見てる時と同じ眼差し。 何に対してなのかは分からないが、羨む感情が滲み出ていた。 「…ふぅ」 ゆっちんから視線を戻してすぐ、若干離れた俺の耳まで届いた、力のないため息。 今日のしずは様子が変だと、この時になってようやく気付いた。 その後、彼女は真っ直ぐ帰らず、家近くの公園に入って行く。 真冬の寒い季節ながら、砂場やブランコには親子連れの姿があった。 しずは入り口から見て、正面のところにある縦に並んだベンチに腰掛けた。 昔から遠回りで帰宅はしていたが、こんな風にどこかに寄り道するのは滅多にない。 やっぱりなんかあったのかな、と心配する反面。 一脚しかないベンチに、彼女の隣に座るわけには行かない。 ……捕まらない、よな? どこからどう見ても変質者、だと認めざるを得ないほどの愚行。 それでも近くまで行きたい一心が、周りの目を盗んでベンチ後ろに植えられたツツジの花壇を跨がせた。
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