哀しい、粉雪

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こういう時に限って、時間が経つのはやたらと早い。 学期末のテスト期間を目前に控え、クリスマスまで2週間をきっていた。 「…はぁ」 「どしたの、テストやばめ?」 このクソ寒い季節、ソフトクリームを美味しそうに舐めている海斗。 冬になると無性に食べたくなる気持ちも分からなくもないが、やっぱり見てるだけで寒そう。 「うん、まぁ…」 テストはいつも通り、来週しずに会うためにバッチリ勉強してる。 それより今、かなりの難問に打ち当たっている。 話しかける覚悟は、もう出来た、のだけれども。 しずの学校も俺のところも、去年の冬休みは22日からで、今年も変わらない。 つまり話しかけるのは、家まで行くしかない、ということになる。 出てくるまで待ち伏せするのも有りではあるが、それじゃストーカーとさほど変わりはない。 一体どうすれば良いのかさっぱりだ。 本当、前途多難にも程がある…。 「お前頭いいから、大丈夫だって!てかテストよりクリスマスだって!もうすぐだぜっ?!明るく行かないとーっ」 そのクリスマスに頭を抱えるんだよ、バカヤロー。 てか万年赤点なんだから、ちょっとくらい焦ろよ…。
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