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「お前ら!固まんな!プレゼントだよ、クリスマスプレゼント!」
「…プレゼント?」
「そう!欲しい物をこっそり探っとくんだよ。んで、実は前から好きでしたって言って渡すの。もう完璧じゃねっ?!」
「それ、物で釣ろうとしてるだけなんじゃ…」
「これだから恋愛したことのないケツの青い野郎は」
「お前もしたことないだろ!」
「俺がネットと少女漫画でどれほどの研究を重ねたか、知らないだろうよ」
「…ドン引き…」
引きつった顔で、汚物を見るような目を海斗に向ける亮介の気持ちが痛いほど分かる。
しかし図太いのか、勝算があるのか、奴は鼻で笑った。
「諸君、よく聞け。聖なる夜…サプライズという名のスパイスを加えてからの、"好きだ!"。これぞ、夢を見る女子達の理想!例え面識のない相手だろうが、不細工じゃない限りは受け入れるってもんよっ!ああ。俺、マジかっこいい…」
…そういうもの、なのか?
曇った雲間から、一筋の光が差し込んできたみたいだ。
隣で空いた口が塞がらない亮介になど全く気づかず、拳を握り、目を閉じて自惚れに浸る海斗が神々しく見える。
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