呪われし残酷な魔術

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「男は皆、泣いてる子に弱いんだよ」 諭すような口調が、変に嘘くさくて。 またしても、…交わされてしまった。 しかし反論する余地などどこにもない私は、渋々納得するしかなかった。 「そいや寝てた時、呻いてたけど、なんか嫌な夢でも見た?」 「えっ?あ…いや、怖いとかはないんですけど」 「けどなに?」 「昔の…その、ちょっと嫌な事が夢に出てきただけです」 「それで?」 不敵な笑みを浮かべた彼は、相変わらず悪趣味極まりない。 人の不幸は蜜の味、をモットーにしてそうなくらいだ。 「私が、その、…人に初めて八つ当たりした時のことです」 「八つ当たり?誰に?」 「知らない男の子に、…です」
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