呪われし残酷な魔術

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「校門前で待ってるから 、荷物頼むね」 黙り込んでしまった私と高木くんなど構うことなく、いつものような戯けた口振りに戻っていて。 彼は本当に多重人格なんじゃないかと、疑わずにはいられなかった。 荷物を取って来てもらうなんて、申し訳なさすぎると止めようとしたが、高木くんは早々と踵を返して行ってしまった。 「行こ」 「え…でも…」 「取って来てくれるから」 そう言って、ハルさんは歩き出して。 腑に落ちないながらも、教室に戻る勇気もない私は、渋々後を着いて行った。 「…高木くんと知り合いだったんですね」 「顔見知り程度だけどね」 「え?でもその割に…」 「なに?仲悪そうって?」 何故、自分の口はこうも緩いのだろう。 口角を上げた彼は、もちろん全部見透かしていた。 「えと…悪そうっていうか、その…はい…」 「はは、素直」 「すいません…」 「一方的に嫌われてんのよ。別に何もしてないのに」 高木くんが安易に人を嫌うイメージなんてない。 宇宙人のことだ。 もしかしたら真面目な彼の癇に障るような事を、無自覚に言ったのかもしれない。 「…で?今日は何があったの」 横目で覗く瞳が、急に鋭くなって。 咄嗟の嘘もつけずに、どもってしまった。
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