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次の日。
朝一に大志くんに聞きに行った。
けれど返ってきたのは、"すぐに分かる"、のみ。
それからどんなに追求しても、頑なに口を閉ざすだけで、教えてくれる素振りは全くなかった。
昨日の高木くんといい、何か私に隠していることがあると思えてならなかった。
そしてその夜、ゆっちんから急に明日空いてるかと誘いがあった。
文化祭の代休で、休みになった月曜日。
竹中さんがいつも通り出勤してくるから、
実をいうと色々、複雑ではある。
奏人くんのことを問い詰めたところで、私には何の関係もない話。
しかしそれもあくまで自分の憶測でしかないし、彼女本人の口から答えを聞きたい。
でもそれを知っても、現状は何一つ変わらない。
悶々と考えた末、やっぱり好奇心が勝り、承諾することにした。
彼女が部活が終わるまで待っていた私は、買い物を頼まれた。
スーパーから帰り道、いつものように坂を上っていた時、前方から見覚えのある白髪混じりの女性が降りてきた。
「…永重さんっ!」
呼んですぐ、彼女はハタと立ち止まって。
それと同時期に、私も固まってしまった。
…うそ。
何故なら彼女の隣には、…文化祭で助けてくれた女性がいたのだ。
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