儚き恋が終わるとき

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告白とは不安でいて、何処となく浮き足立つ気持ちになるものなんだって勝手に想像してた。 彼女のいる相手に、どうやって不安をいだけるのか。 聞くまでもない答えに、どう浮き足を立てられるのか。 言いたかった。 私だったんだよ、って。 でも冷静に考えれば考えるほど、彼女を想っている彼にとって、その事実が如何に些事に過ぎないのかを痛感する。 お母さんと路頭に迷う危険を犯してまで、そんなちっぽけな自分の誇りを掲げて、最後に何を得られるというのか。 熱い涙と氷袋の冷たい水滴が、綯い交ぜになって頬を流れてゆく。 自身の嗚咽音を耳にしながら、打ち明けることのできない真実を胸に秘めたままにした私の人生初めての告白は、引き裂かれるように苦しいだけだった。 何時間も経ったように感じた。 そしてずっと静寂を守っていた彼が、発した言葉は。 「あいつは…?」 え………? 突飛な単語に思わず、顔をあげたけれど。 すりガラスを何層も重ねられた視界で、彼の表情を捉えるには無理があった。 「あいつ、って…誰…?」 「だから、…この前一緒にいた…彼氏」
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