揺蕩う、光と闇-2

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差し出された群青色の包装紙に包まれたプレゼント。 ひと気の少ない閑寂な公園で、目の前に立つ女の子はひどく紅潮している。 「今日は伝えたいことがあって…」 タイミングが良いとは、こういう事なのかもしれない。 たどたどしい口調は、いつもの強気な彼女からは想像し難いものだ。 「中学の時、奏人くんが自信つくって言ってくれたよね。あたし、そんな風に言われたことなかったの」 頑張るのも、追いかけるのも、物を盗ってしまうことさえ、全部は好きが故に。 似てるからこそ、理解できてしまう。 共感できてしまうから、責めたてられない。 …遥人は本当に、全てを見抜いていた。 「あたしの事、好きじゃないのは分かってる。我儘なのは自覚してるし…でも頑張って治すから」 俯き加減の睫毛から伸びた影が小刻み揺れて。 滲み出る緊張感に、胸が痛くなる。 「ゆっくりでいいから…その、ちゃんとあたしを見て欲しい」 たとえ、忘れられなくて。 永遠に囚われていたとしても。 『待ってっ!お願いっ、待って…!』 あんな風に、追いかけられる事もなければ。 『おいひー』 あんな日溜まりのような笑顔を向けられる事も。 もう二度と、ないのだから。 これが最善の方法だと思った。
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