揺蕩う、光と闇-2

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「知らないって、皆そう言ってるんだよ?!なんで?!一体どういうこと?!」 …やっぱり、無理だ。 頑張ってみようと一度意気込んでみたけれど、限界に達してしまったらしい。 「お前さ、今までどれだけ嘘ついてきたか、自覚してる?」 「え…?」 いつもと違うであろう俺の態度に、異変を感じたのか。 初めてお前呼ばわりされた美咲は、途端に怯み、瞬きを繰り返す。 「まず宿題。お前が作ったんじゃないよな?」 「あたしだし…!」 図星をつかれるはずがないと思っていただけに、動揺を隠せないみたいで、分かりやすいくらいに顔が強張った。 「なんでお前じゃないか、分かる?」 「だからあたし」 「見舞いに来てたの、緒沢さんだって知ってるから」 「…!?」 瞳孔が開いて、そのまま硬直した美咲の顔から血色がみるみる内に消えていく。 しかし、これはまだ序の口。 「家族ぐるみで嘘ついてんの、俺の親が知ったらどう思うんだろうな」 退院した病室で泣いてくれていたということは、入院中、俺のことを嫌ってはなかった。 付き合ってることを本当に勘違いしていたにしろ。 人生を半分以上狂わせてくれたその嘘だけは、絶対に、死んでも許さない。
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