揺蕩う、光と闇-2

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「てか、気持ち悪いって言われたんだよね」 「え?」 「何も知らないフリしてんの疑われちゃって。かなり嫌そうな顔で釘刺されたわ」 「…なにを…?」 「影で自分のことを知ってる人がいるのは、気持ち悪いって。結構可愛がってたのに、なかなかショック。はは」 苦笑を浮かべた遥人は、心なく俺を崖に突き落とした。 …何故、一番大切な事を忘れてしまったのだろう。 今まで何よりも引っ掛かっていたことなのに。 『ストーカーって、あれだよね?付き纏う人だよね?』 『…なにそれ…怖い…』 彼女が優しくしてくれたのは、あくまで何も知らないからだ。 どこから、赦してくれると。 何を根拠に、受け入れてくれると。 …荒唐甚だしい。 相談にのっていた遥人ですら、そんな態度をとられたのならば。 勝手にキスをした大嫌いな男が、実は長年のストーカー。 しかも執拗のあまり、恋路まで邪魔をしていたと聞かされたら彼女はどうするのか。 …ハ。 自嘲の笑いが自ずと洩れる。 初めから一縷の望みすら無かったのに。 俺は一体、何を勘違いしていたのだろう。
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