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「あら、そお?
だってタフィってばずっと私の後ろを歩いてくるんだもん」
「そ、それは悪戯な精霊は後ろからだって襲うときがあるんだぞ。
オレはロリーの背中を守ってるんだ。
それよりそのナントカーナとかいう花は本当に咲いてるのか?」
「なんとかじゃなくて「ナンリールカの花」だよ。もう少し行ったところ。
目印をね、付けてもらってあるから」
「目印?付けてもらったって……一体誰にさ!?!?
この森は街人も入らない森なんだぞ。
ロリー、おまえこの道とかずいぶん詳しそうだけど……まさか前からよく忍び込んでたりしてたのか?」
タフィの言葉に、ロリーは内心、少しばかり焦ったが、その表情を気付かれないよう、視線を逸らしながら言った。
「もー。嫌ねぇ、忍び込むなんて言い方。
これも修行の一環よ。ガレット先生の弟子としてお屋敷に住まわせてもらってるのだから、将来は魔法使いとまでは言わなくても魔女くらいにはなりたいと思ってるのよ、私」
「ま、魔女だって!?」
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