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打ち上がる花火の1つ1つに感動していたら、
「帰らなくて良かったでしょ、センセ」
彼が微笑みを浮かべてそう言った。
私は黙って小さくうなずく。帰っていたらこんな感動は味わえなかった。
誘ってくれたことに感謝しないと。
「…………」
来年は何をしてるかわからないけど、またこの花火を見に来たい。
出来ることなら彼と2人で。
他の生徒と盛り上がる彼の横顔を見つめながら、
望みの薄い願いを輝いては消える花火に向けてずっと祈っていた。
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