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私の気持ちは届かないかもしれない。
でも私という存在を記憶の片隅に残してもらうことは可能だ。
保健室の先生、ではなく1人の女性として。
覚えていてもらうなら白衣より浴衣の方がいい。
恥じらいは、捨て去れ。
代わりに彼の前で堂々と振る舞える勇気を……。
お気に入りの服を掴んでいた手は浴衣の方へ。
顔は熱いし心臓は大きく鳴り響いているが。
そんなのに構ってなどいられない。ここは勢い任せで。
そして私は前に調べた着付けの方法を思い出しながら丁寧に浴衣を身に纏っていった。
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