恋の花火は終わらない

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ーーそして、花火大会が始まる1時間前。  私は友人と出店の並ぶ会場内を散策していた。  既に大勢の人で賑わい、縁日ならではの食べ物のそそる匂いが辺りに漂っている。  久しぶりの感覚。悪くないな、こういうのも。 「ねぇ、"保健室の王子様"は見つけた?」 「あ、うん……まだ……」  友人の彼を例えた言葉に、身体がビクッとした。  彼女と合流した際、私が浴衣姿だったものだからどうしたんだと質問攻めに。  デートする訳でもないのに浴衣とか気合いが入っているように見えたんだろう……。  隠しきれなくなり今日の目的など全てを洗いざらい話さずをえなくなったのだ。
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