1,テナー

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私を知ろうともしない世界なんて、くそくらえだ。 そして。 自己の主張さえ上手く出来ない私という奴は、さっさとこんな世界から消えてしまえばいい。 けれど。 それらに反比例する音がある。 心臓という鼓動が大きく太鼓を鳴らして。 『私を見ろ』 『私を知れ』 『私を生かしてくれ』 なんて、泣きながらそう唸りをあげるから。 目の前に差し伸ばされたその手を、私は、どうしても、掴まずにはいられなかった。  
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