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◇◇◇
伊勢神宮最奥
御簾の内で車座になって神鏡を見つめるのは、三人の妙齢の巫女だ。白い着物に赤い袴。踝に届く長い髪を結わわず垂らしている。
「真緒、この神鏡を伊雑宮に収め置いてください」
「かしこまりました。」
先程、神迎えの儀を終えたばかりの神鏡である。銅鏡を中心として淡い光が立ち登っている。
「これで三度目の神鏡ですね」
一番年若の奈津が言った。
「こたびのはぬかりない」
康宮が微笑んだ。
「とうとう鹿島が動いたとか」
真緒の言葉に康宮は頷いた。
「まもなく、すべて動く。」
古来より始まった神と悪魔の戦い。
「伊勢があるからこそ神は勝つ。」
真緒と奈津は頷いた。
「ええ、ここの神域だけはケガレさせません!」
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