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◇◇◇ 諏訪大社の神殿にて、祢宜から報告を聞いて神主はまたまた顔をしかめた。 「一体、何が起こってる。」 まず、千が神鏡を通してケガレを見つけた。 祢宜の報告は、それを確定付けるものだった。 そしてケガレは一つではないらしい。 「…。あの口伝は本当だったのか。」 信じられない話ではあるが、こうなった場合信じなければならないのだろう。そしてこの口伝はここだけの言い伝えではない。ほとんどの寺社にあるはずだ。 曰く、昔むかし。神と悪魔が戦った。悪魔は完全に滅ぶことはなく、度々世に現れては災厄や天災を招くという。それを防ぐのが神だ。 神に力を与えるのが神社、神道ならば悪魔に打ち勝つ力を与えるのが仏教である。 神主は両手を握りしめた。 (第六天魔王が依代ヨリシロを失って世にやっと平穏が訪れたというのに) 「神主様、祭事の準備が整いました。」 入口で千の声が響いた。 「ああ、今行く。」 災厄なぞ来させはせん。 社が機能すれば撃退できるはずだ。
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