夏の思い出

7/7
前へ
/102ページ
次へ
「んっ…!」 結局、志音からキスされて、いつも通りの展開だなと、心の中で苦笑する。 それでも、こうなるのを期待していたのも事実。 あの頃の私達は、今ではキスやそれ以上のことをしていると知ったら驚くだろうな。 多分、驚くだけではすまないだろうが…。 この夏の日のように、今の私達の写真も一枚撮っておくのもいいかもしれない。 いつかまた二人で笑って思い出せるように。 そう願うことは間違っているなんて知らなかった。 きっと浮かれすぎていたんだろう。 甘い気持ちに慣れすぎて、それ以外の味覚を忘れていて……。 暑いはずの夏の風が少し涼しく感じていた。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加