揺れそうな心

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「ショッピングモールって…学校に近い駅の…」 「学校の一つ手前の駅のヤツね♪」 「い、嫌だ!お前はいいかもしれないが、私はこの姿で学校の誰かと逢ったら…!」 「大丈夫♪目線逸らして喋んなきゃ分からないって!」 何て楽観的な…。 もし学校の女子やクラスメイトに逢ったら、間違いなく私だとバレるだろう! 眼鏡やウィッグで誤魔化せるとも思えない。 私が悶々としていると、不意に志音が手をぎゅっと握ってきて、自信満々の笑顔を見せる。 「大丈夫だって!七瀬は黙って俺についてこい!」 「私にプロポーズをしてどうする?」 「七っちってば自意識過剰♪それとも本当に俺と結婚したくなった?」 「たとえ私が本当の女だったとしても、お前みたいな男と結婚したくないし付き合いたくない」 「ひっどいなぁ。これでも女子には人気あるのよ俺。でも一番は……莎弥だけどな」 今の間は何だ? もしかして莎弥以外の女子の名前を出すつもりだったのか? 「志音、お前は本当は…」 「電車きちゃうから行こう七っち♪」 強引に話を打ち切った…? いや、でも電車がホームに入ろうとしてるし、考えすぎだな。 私達は電車に乗り遅れそうだったが、何とか乗車できた。 駆け込み乗車ではないぞ。
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