揺れそうな心

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「そう?まぁ今日は寝かさないけど♪」 「おい…」 「夜通し語り合おうぜ~!こういう機会ってめったにないしさ」 「確かに。だが、眠いと感じたら寝るからな。無理して起きている必要はないだろう」 「はいはい、七っちはしっかり食べてしっかり眠るって言ってたもんね。それでテストが満点なんだから、天は二物以上与えてると思うわ…」 「授業をしっかり聞いて、分からない時はその時に質問する。後は復習すれば結果は自ずと出る。ただし、それ以前に授業内容を理解していないと話にならんが」 体育の実技や音楽、美術は感覚や感性で理解する教科だが、座学の授業は授業内容を聞いて、ノートにまとめておけば、テストでそんなに困りはしない。 実際、私は困ったことがないからだ。 もちろん息抜きも適度に入れてリフレッシュして、授業の復習をするだけだ。 「じゃあ俺は授業自体が理解できてないのか…どうりでテストが赤点ギリギリの点数になると思った♪」 あっけらかんと言っているが、テストの点数が赤点ギリギリになったのは莎弥が亡くなってからだったと思う。 元々は器用で何でもそつなくこなしていたのに、莎弥がいなくなったことでいい加減で言葉が薄っぺらになった。
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