真夏の嵐

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あれから志音と出かける日は激減して、頻繁に女装する必要がなくなって少しだけホッとした。 そして少しだけ寂しくもなったが、女装して志音と出かけても七瀬の私は満たされない。 自分から連絡を取るのも変な気がして、結局志音からも連絡はないので、何だか破局したカップルみたいになってしまった。 別に恋人同士ではないから、大して困っているワケでもないがな。 「こんにちは、七瀬お兄さん」 「優(ユウ)くん!?久しぶりだね!ずいぶん大きくなったなぁ…」 「僕もう中学生なんですから。あの頃はまだ幼稚園児でしたし」 優くん、相生 優喜(アイオイ ユウキ)くんは母方の従弟で、母さんの弟の子供になる。 一人っ子だから、私や莎弥が本当の弟のように可愛がっていた。 私も弟が欲しいと思ったこともあったから、優くんと遊ぶのは本当に楽しくて嬉しかった。 「七瀬お兄さん、莎弥お姉さんの葬儀に出られなくてごめんなさい。お母さんだけ行ったけど、僕も行きたかった。莎弥お姉さんは本当のお姉さんみたいに思ってたから…」 「いいんだ。優くん達は遠くに住んでいるのだから、その気持ちだけで充分だよ。莎弥もそう思っていると思うよ」
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