真夏の嵐

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「もしもし…」 『よかったぁ…全然出ないから莎弥にフラれたかと思った♪あのさ今日…』 「志音悪い、家から女装は無理だ」 『はぁ!?何で!?』 「今家に従弟がきている。数日は泊まりそうだから、さすがに見つかるし、私の部屋にもよくくるから部屋で女装は…」 『ん~、じゃあ俺の家で着替えるといいよ。着替え一式持ってきて、俺の部屋で着替えてから出かければいいし♪帰りは俺の部屋でまた着替えれば万事解決じゃん♪』 電話で話しながら、大きなバッグに女装道具を詰められるだけ詰め込む。 電話中だけど、優くんが様子見で部屋に入ってくるかもしれないから、荷物は手早くまとめていつでも外に出られるようにしておく。 「今からそっちに行く」 『OK♪冷たい飲み物用意して待ってるよ♪』 「それは助かる。後でな」 電話を切り、バッグにスマホを入れて急いで家を出る。 家族には誤魔化しがきくが、優くんは昔から勘が鋭いところがあったから、下手に誤魔化すとこちらからボロを出してしまう可能性があるからな。 志音の家の近くにきたところで、母に電話して外出していることを伝える。 優くんには悪いが、志音との関係を知られるワケにはいかない。 いい友人関係ではないしな。
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