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「ち､違っ…!」
「違わないよね?身体は正直だから♪」
志音の表情を見た時に､志音が欲を孕んだ目の色をしていることに気付く｡
でも少し嬉しかった…莎弥ではなく私を欲していると思えたから｡
「ね､舐めていい?」
「いいワケないだろう!」
「じゃあ､七瀬抱いていい?まぁ､嫌がっても最後までするけど｡俺も我慢できるほど大人じゃないし､目の前に好きな奴が全裸で寝転がってるの無視できないっしょ♪」
「好き…?私は今は莎弥では…」
私はズルいな｡
志音に「七瀬」と言わせたくて､莎弥を引き合いに出したりして｡
志音も莎弥も踏みつけている行為だ｡
「お望みとあらば､莎弥として抱いてもいいけど?」
「……お前分かってて言ってるな」
「当然｡七瀬の性格は少しは把握してるからね♪」
莎弥すまない｡
私はお前の恋人を取ろうとしている｡
そして恋人の志音を苦しめている｡
それが分かっているのに､私は志音が欲しい｡
私は最低な兄で最低な友人だ｡
「七瀬?」
「こんな最低な私を抱いて､お前の価値が落ちても､私は責任を取れないが､それでもいいのなら抱いてほしい」
「責任は…『俺だけ好きでいること』って気持ちをなくさないことでどう?」
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