真夏の嵐

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唇が離れると志音がいないように感じて、寂しくて怖くなる。 「そんな捨てられた子犬みたいな目をしなくても、俺はいなくならないから安心して♪俺がすぐ捨て猫やら捨て犬拾うの知ってるでしょ?」 「里親と親戚に押し付けたアレか…」 「傷口に塩塗らないでよ。力がさっきより抜けたみたいだね♪よかったよかった♪」 更に指が奥へ進もうとしているが、頑張って力を抜いてもやっぱり身体が強ばって進入を阻む。 押し出そうとする身体と取り込もうとする身体が私の思考を無視して動く。 「ん?これかな…?」 「くひゃ!?や、やめ…あぁん!!」 「凄い声♪そんな可愛い声上げられるんだ♪」 な、何だ!? さっきのは私の声か? あんな女子みたいな…甲高い声…。 「可愛くなんてない!私が甲高い声を上げても耳障りにしかならない。きっと莎弥の方が可愛い声に決まっている」 「そこで引き合いに出すのが莎弥ってのは七瀬らしいね」 「志音…!ちょ…また…!やぁ…中、かきま…さな…で…!七瀬…七瀬…我慢できなく…なっ…ちゃう!ふあぁ!」 「へぇ~可愛い♪こういう七瀬もいいね♪自分のこと名前で言ったり、ちょっと舌っ足らずな感じとかさ♪」
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