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志音と繋がることを望んだのに想像もしなかった痛みで、快楽の代償で痛いのだと思った。
嬉しいのに何だか悲しい気持ちになってしまって、それを忘れたくて快楽と痛みに溺れたくなった。
「志音…七瀬だけだよ?莎弥にも…誰にも…浮気ダメ…七瀬を…好きになって…」
悲しいのは、志音がどこかで莎弥を忘れないでまだ想っているから。
兄としては嬉しいけれど、七瀬としては複雑でどうにもならない気持ちになる。
私は莎弥を裏切った。
お前の恋人を身も心も略奪しようとする兄なんて、きっと誰からも許されないし、誰も祝福などしない。
あぁ、そうか…。
私が堕ちて、志音も堕とそうと引っ張っていたのか…。
堕ちるのは私だけでいいのに、志音まで巻き込んでいいはずがない。
そう思うのに、志音と繋がった身体は痛みも快感も離したくなくて、本能のままにすがって貪ろうとしている。
「七瀬…お前を選んでいいのか?本当に後悔しないんだな?」
「しない!志音と一緒ならしないもん!」
もう後悔はたくさんしている。
そんな私をすぐに見つけるのはお前で、私はその優しさが甘いの知って、優しさの蜜に溺れる。
それが普通になればなるほど、貪欲と後悔でいっぱいになる。
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