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志音と更に深く繋がった瞬間、息が止まりそうなくらいの圧迫と、目の前に星があるのかと思うくらい、視界がチカチカして何も見えない。
そこで意識は途切れた。
「ん…痛っ!!」
微かに身じろいだ瞬間、腰に激痛が走る。
これでは動けない。
「お、目が覚めた?まさか気絶するなんてな。喉渇いてない?」
「渇いた…」
志音はさっきとは全然違って、いつもの軽薄だけど観察眼の鋭い志音だった。
ここまでいつも通りだと、さっきのことは夢だったんじゃないかと思う。
腰の痛みで現実と分かるくらいで…。
「スポーツドリンク、七っち好きでしょ?」
好きというより吸収がいいから、体育の後に飲んでいるだけなんだが。
「痛っ!起き上がれない…」
「ちょっと待ってて」
「……んっ」
志音がスポーツドリンクを口に含んで、私に口移しで飲ませてくれる。
何度かその行為を繰り返すと、喉の渇きもなくなり、そろそろとゆっくり起き上がる。
何にせよ仰向けのままだと不便だからな。
「あ、さっき七っちの家に、今日は泊まるって連絡しといた。で、その電話に男の子が出たんだけど、誰?」
「従弟だよ。母方の従弟で優くんって…志音?」
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