真夏の嵐

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「俺とした時、自分のこと七瀬って言ってて、言葉も舌っ足らずみたいで可愛かったからさ♪ああいうの見たら、男としてはぐっとくるね♪」 「そんな感じだったのか…恥ずかしい…」 「可愛かったからいいじゃん♪俺だけが知ってる七瀬だし、ちょっと優越感♪」 「そういう私はあまり見せたくないな」 朧気ながらいつもの自分では言わない言葉や口調だったのは覚えているが、ああいうのは絶対見せたくない一面だ。 と言っても、私も初めて知ったが。 「あの可愛い七瀬は普段は見せてくれないの?」 「見せない」 「ケチ」 こんなやり取りも楽しくて、じゃれ合っていた私達だが、翌日に志音の言ったことが現実になるとは、私達二人には知る由もなかった。
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