続・真夏の嵐

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「心配かけてごめんね。優くん、ちょっと目が赤いね」 私を見上げてくる優くんの目は少し赤いし、表情にも疲れが見える。 本当に心配していたのだろう、私が志音を求めて気を失っていた間もずっと。 「七瀬お兄さんが帰ってこないって伯母さんに伝えるのつらかったです。それに、あの男の失礼さも腹立たしいですよ!」 「あの男って…志音のことかな?」 「確かそんな名前だったような…。でも失礼だから『あの男』で充分じゃないですか!?」 これは…二人を会わせてはいけないな。 絶対にいい結果にはならない。 どちらも知っている私が間に入ったとしても、余計に悪化しそうだからな…。 「優くん、ちょっと疲れたから、部屋で休みたいんだけどいいかな?」 優くんの心配してくれる気持ちは嬉しかったが、志音との行為の僅かな熱とくすぶり、そして真夏の気温を無防備にも近い格好で帰ってきて、疲れない方がおかしい。 早く自室で涼みながら、静かに休んでいたい。 ただベッドに横になるだけでもいい。 今は優くんの気持ちに笑顔を向けるのも少しつらいし、放っておいてくれた方がありがたいのだけれど。 志音だったら、そっとしておいてくれるんだがなぁ…。
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