続・真夏の嵐

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誰が好きなんだ? それとも全員好きなのか? 訊けばハッキリするんだろうが、もし莎弥だったら? もし女装して莎弥の振りをする七瀬だったら? もし…全然知らない女性だったら? 私ではなかったら…耐えられない。 莎弥だったとしても、女装して莎弥の振りをする私だったとしても…耐えられない。 「お前が本当に好きなのが誰か分からない。色々考えていたら、とても怖くなった。だから…一人でいい。こんなに痛い思いをするなら…ずっと一人でいい」 答えはうやむやになって、胸のモヤモヤはしばらく続くかもしれない。 だけど、一人に慣れた頃には忘れているはずだ。 傷ついたら苦しいじゃないか…。 『……じゃあ、今部屋の窓開けて確かめてよ。七瀬の考える俺がどんな奴か』 「志お…!」 私の言葉を遮るようにして切られた電話と不思議な言葉。 仕方なく熱気が入るのを承知して窓を開けて外を眺める。 「ん?」 私の部屋の下の道路で、手をブンブン振っているのは志音!? まさか、あの炎天下の中、ずっといたのか!? 急いで玄関を開けて、志音を引っ張るようにして、外よりは涼しい自室に入れる。 「あ~涼しい!外暑くてさ~」
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