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私が軽薄だと思って見ていたことが志音に気付かれてしまい、慌てて目を逸らしたが恨みがましい視線を感じる。
「七瀬…信じていたのに…!」
「いや、そういうつもりでは…」
「やっぱり七瀬お兄さんは分かってたんですね!」
「え?いや、あの…」
私が口を挟むことが地雷なのかもしれない。
ここは鎮静化するまで傍観者に徹した方が賢明かな?
エアコンが効いて涼しい自室は、今や灼熱の火山かと思うほどの熱気がある。
主にこの二人がヒートアップしているのが原因だ。
傍観者の私はエアコンの温度を下げてみたり、優くんが持ってきたお茶を二人のコップに注いだりして成り行きを見守るしかできない。
「まぁ、俺は何を言われても平気だけどね。だって七瀬とHしたし♪」
「馬鹿!!」
志音が地雷を踏んだ…。
敢えて避けていたのに、何故このタイミングで暴露するんだ!
「……七瀬お兄さん、本当ですか?無理やりされたとかじゃなくて…?」
ここで下手に誤魔化さない方がいい。
包み隠さずとまではいかなくても、事実だと伝えないとな。
「合意の上だよ。正確には私が志音を欲しがったから…」
「七瀬!?」
「事実だろう。私は志音が付き合って相手をしてくれたと思っている」
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