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「やっぱり七瀬お兄さんを好きになってよかった。僕はそういう凜としたお兄さんが好きです」
「優くんありがとう」
「またくるんだろ?七瀬も寂しがると思うから、気が向いたら、七瀬に逢いにきたらいいんじゃない?俺も楽しかったし♪」
こうやって相手を持ち上げるのも志音の気遣い。
志音のこのさりげない気遣いは相手を不快にはさせないし、これで志音の好感度は上がる。
自然にできるのは凄いことだと思うし尊敬もする。
本人には言わないが、志音を今の志音で、その志音を好きになってよかった。
莎弥…お前が好きになるだけあるよ、志音は。
悪いと思うけれど、私は莎弥に志音を譲りたく…いや譲らない。
もう決めたんだ。
優くんが帰ってから、私と志音は揃って息を吐いた。
「やっと帰ったな…」
「気の毒なことをしたとは思うが、何だか異様に疲れた…」
「七っちも気を張ってたんだよ、ゆっくり休んだら?」
「……休むのは休むが、それだと…志音と一緒にいられないな…」
「俺が一緒だと色々休めないしね♪」
「なっ!?お前…!」
そういう言い方をするな!
私が期待しているみたいに聞こえるだろう!
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