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「母さんの存在を忘れていた…!どこからどこまで聞いていたんだろう?」
「案外全部聞いてたりして♪」
「それが問題なんだ!母さんや父さんに女装しているなんてことがバレたら、私は生きていけない…!」
「大丈夫だって♪バレて勘当されても、俺がお嫁にもらってあげるから♪」
「何がどう大丈夫なんだ?たとえそうなったとしても、お前には話さないからな」
「ん~、でもおじさんもおばさんも怒らないと思うし、理由話したら受け入れてくれるんじゃない?何なら俺のせいにすれば、七っちは被害者になるんだしさ♪」
バカだな、お前が罪を被る必要はないのに。
どうして、お前は自分が痛くてつらい方に一人で行くんだ?
何となく分かったかもしれない。
私じゃなくて志音がギリギリだったんだ。
こうでもしないと自分が壊れると思っているのかもしれない。
私は知らず知らずのうちに涙を流していた。
志音の気持ちに触れた気がしたから。
私の思い込みかもしれないが。
志音、そんな方法ではダメだ。
痛みを感じても傷が増えて、他は何も消えはしない。
手を伸ばせば私が掴むから。
手を伸ばしていい…伸ばしてくれ、頼むから。
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