新米パパと新米ママの七日間戦争!?~始まり~

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夏休みも中盤を迎え、莎弥の初盆だ。 親戚もこられる人だけきてくれて、わざわざ莎弥の友人もきてくれた。 きてくれた人への挨拶をしたり、お茶を運んだりしていると、何だか玄関が騒がしくなった。 さすがに物騒な客だと帰ってもらわなければならないと思って玄関へ向かった。 「違うって!親戚の子供!俺の子供なワケないでしょ!俺は莎弥の彼氏なんだから浮気なんて…」 「先輩の言い訳じゃ各務先輩は納得しないと思いますけど?」 「本当に親戚の子供だってば!俺しか面倒見れる奴がいなくって…マジだってば!」 「ふ…びえぇぇぇん!!」 「ごめんごめん!びっくりしたな、よしよし…」 聞き慣れない赤ん坊の泣き声に、急いで玄関の外に出ると、スーツ姿だが、赤ん坊を抱っこ紐で固定して、大荷物を持った志音が赤ん坊をあやしていた。 どう見ても奥さんに逃げられた情けない夫の図だった。 育児も家事も奥さんに任せっ切りで、奥さんが我慢できずに子供を置いて出ていったなと想像させるくらいに志音はやつれていた。 「志音、大丈夫か?取りあえず私の部屋に行くぞ」 志音を責めていた後輩を手で制するようにして、志音の手を引いて、客でごった返す廊下を抜けて二階の自室に志音を先に入れて、自分も入って鍵をかけた。
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