3人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
「はぁ!?」
低い声で問い返した。
兄妹だからまだ許せる部分があるのに、何で他人の志音が寝る?
彼氏と言えど妹の部屋を使わせるのは抵抗がある。
莎弥がいればまだいいが、いないのに使うのはおかしいだろう?
「俺は七っちのベッドでいいです…」
「当然だろう」
本当は私も莎弥の部屋で寝るのは抵抗がある。
莎弥の部屋は当時のままで、もういないんだと再確認させるからだ。
いずれは莎弥の部屋も片付けるのだろうけど、両親も私もまだ莎弥の部屋を片付けることはできない。
いないと分かってはいても無理なんだ。
莎弥の部屋に行こうと起き上がると同時に、一緒に起き上がった志音に後ろから抱きすくめられる。
「志音!?」
「七っち…子作りしよっか?」
「何を言って…!」
「七瀬、俺の子供を妊娠して産んでよ。できるまでしてあげるからさ♪俺とするの嫌?」
「嫌とかそういうことじゃないだろ!馬鹿!」
嫌かと聞かれれば嫌じゃないんだが、今はそんな気分じゃない。
よく分からないが、普通は志音のように何が何でもしたくなるのか?
それとも私が淡白なのか?
「嫌じゃないみたいだけど、気分じゃないなら無理やり抱いちゃうよ?」
最初のコメントを投稿しよう!