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ベビーカーの幌で影はできているが､早苗ちゃんは暑さでバテていないか心配で何度か覗き込んだが､お気に入りの玩具をブンブン振ってご機嫌のようで安心した｡
覗き込む度に志音が笑う｡
笑うくらいなら､自分が様子を見て私に言ってくれればいいのに｡
本当に私と志音が夫婦で､早苗ちゃんが私達の子供だったら､私の志音への愛情は激減してマイナス一歩手前になるような気がする｡
男同士でよかったな志音｡
「押すの替わろうか?ヒールで押すのつらそうだし」
「いや､押してる方が支えがあって安定する｡それにヒールなのはお前のせいだろう?」
「サンダルってヒールのヤツが多いんだよ｡でも結構低いヒールのヤツにしたんだけど､それでもつらそうだからな」
「女物のヒールと男物のヒールは違うだろう｡男物はヒールがこんなピンポイントじゃない｡本当にどうして女性はこれで普通に歩けるんだ?」
志音が言う通り､そんなに高くないヒールだが､それでもバランスを取るのが難しくて､気を抜くと転ぶか足首を捻りそうで怖い｡
どうして女性は平気でこれで歩けるんだ?
たまにこれで走る女性もいるしな…｡
「マジレスすると､身体構造で重心のかかるバランスとか何とかだったような…」
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