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遠くから男性が全力疾走でこちらに向かってきているが、汗だくで息が上がりまくりで何だか心配になってくる。
私達の前に着いた時には、まともに話もできないくらい疲れていたが、早苗ちゃんを見て満面の笑みを浮かべる。
「早苗、パパだよ~♪いい子にしてたかな~?パパは早苗に逢えなくて寂しかったよ~」
「もう分かると思うけど、この人が瀬戸 浩一さん。早苗ちゃん激ラブのパパ」
「ああ、見れば分かる…」
今はいいかもしれないが、早苗ちゃんが中高生になったら、嫌われ路線をひた走りそうな人だな…。
「浩一さん、美奈子姉ちゃんは?」
「美奈子は先に美奈子の実家に帰ったよ。今月いっぱいは実家でのんびりするって。俺も向こうから会社に行くことも増える予定」
「じゃあ早苗ちゃんの荷物、おばさんの家に送ればいいかな?」
「送らなくても、車だし持って行くよ?」
「今荷物はこっちの、七瀬の家に置いてるから、車も停められないし。明日中には全部おばさんの家に送るから気にしないで♪」
荷物を纏めるのはいいんだが、母さんが寂しがりそうだな…めちゃくちゃ可愛がっていたし…。
「そうだ、送るなら…幾らか渡しておくね」
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