夏の思い出

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一人で虫取りしてもつまんない。 でも、ここには友達いないし…やっぱり虫取りするしかないよね…。 どうせなら珍しい虫を捕まえて、二学期になったら教室で飼うようにしたら、みんな喜ぶかも♪ カブトムシとかクワガタがいいなぁ。 そう思いながらあちこち虫を探していたら、いつの間にか知らない森に入ってた。 あれ?どこから入ってきたんだっけ? 「どうしよう…夕方までに帰らないと、みんな心配しちゃうな…」 「何してんの?」 「えっ!?」 急に後ろから声をかけられてビックリしたけど、僕と同い年くらいだと思って振り返る。 「虫取り?」 「う、うん、でも迷子になっちゃって…」 「迷子!?観光客でも迷子にならない森なのに、どうやったら迷子になれるんだよ!」 「で、でも、出口分かんないんだもん!夕方までに帰らないといけないのに…」 バカにされて悔しいのと、出られない不安で涙が出てしまう。 止めようと思っても全然止まってくれない。 「泣くなよ。バカにして悪かったよ…」 ごしごしと乱暴に涙を拭っていたけど、やっぱり止まってくれなくて、僕も困っていたら、彼が僕の腕を掴んで自分の側に寄せると、そのままチュー…された…。
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