夏の思い出

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「んっ…!んーっんーっ!!」 すぐに息苦しいのとパニックで、彼の胸をドンドンと強く叩いた。 「いてっ!分かった分かった、もうしないって!」 「何で急に…」 「こうすると涙が止まるって、ドラマでやってたから!本当に止まったじゃん♪」 「あ…本当だ…」 「じゃあ、ちゃっちゃと帰ろうぜ。家まで送ろうか?どっからきたの?」 「と、東京…」 「……東京はちょっと送れないかも。えっと、旅行なら父ちゃんとか母ちゃんがいる場所でいいんだけど…」 あ、泊まってる別荘のこと言えばよかったんだ! 自分の家の場所と勘違いしちゃった。 「えっと…別荘がいっぱいあるとこ…なんだけど…」 「別荘がいっぱい……あ、あそこかも!結構近いし、行ってみよう!」 「う、うん」 僕の手をギュッと握ってくれて、その力強さが安心させてくれる。 そう言えば…名前聞いてなかった。 「あの…僕は七瀬っていうんだけど、キミは名前何ていう名前なの?」 「俺はシオン!よろしくな七ちゃん♪」 「七ちゃん!?」 「可愛くていいじゃん♪」 僕、男なのに…。 普通に名前呼んでくれた方が嬉しいんだけどな…。
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