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確かに花壇の手入れは手間がかかってめんどうな作業が意外に多いため、誰も自分からやろうとはしなかった。
そのため、僕が係をする前までは園芸部の人たちが掛け持ちで世話をしていたらしい。
「僕ね、花が好きなんだ。
咲いてる花を見てるだけで心が癒されるの」
「あー、それ分かる気がする」
「え、滝川くんが?」
「なんだ、その反応は」
彼は少しムッとした表情でこっちを見た。
「だって意外…」
「あっ、笑ったな!」
僕はいかにもスポーツ青年という感じの彼が花を見て癒されているのを想像して、なんだか少しおかしくて笑ってしまった。
「俺だって少しは乙女チックなとこもあるんだよ」
「そうなんだね」
すると、そっと夏のぬるい風が、花の香りをのせて僕たちを包みこむ。
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