scene.6

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「まさか反応するとは思ってなかったと思うよ、南条も」 進藤君が少し笑みを含んだ声で言った。 それに皆がうんうんと大きく頷く。 南条君は面白くなさそうにフイッと横を向いてしまう。 そうか、私がなまじあのサーブに反応してしまったものだから、あの後のプレーもあまり優しくなかったってことか。 「祐もまだまだだね」 藤代君がそう言うと、南条君は不機嫌そうな顔で藤代君を見上げた。 「どうでもいいけど、伝言あるんでしょ」 「あぁ、そうだった」 そうそう、と頷いて、藤代君は私にメモを渡す。 開いてみると、簡単な地図だった。 「これは?」 私が尋ねると、皆がニッと笑う。そして、藤代君が杏奈に言った。 「間宮さんは僕達に付き合ってね」 「え?」 あまりの驚きに、杏奈が目をキョロキョロさせる。 何が起こってるのかわからない、といったようだ。こんな杏奈を見るのは珍しい。 「舞さんは今からそこに行って。行けばわかるから」 「うん…わかった。杏奈、大丈夫?」 杏奈を見遣ると、杏奈がガシッと私の手を握って言った。 「大丈夫に決まってるでしょ!舞はもうどこでも好きに行っちゃって!」 「…は…い」 目がランランと輝いてる杏奈。うん、心配するだけ野暮だったね。 私が反省していると、藤代君が小声でそっと囁いた。 「今から花火なんだ。ごゆっくり」 「…え?」
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