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風呂場での騒ぎの後、青年はオレが濡れたままは嫌だと言うとドライヤーで乾かしてくれた。
あのドライヤーってすごいよな。奴がいじくると勢いよく温風が襲ってきてびっくりしたぜ。思わずまた奴の腕に爪を立てちまった。
そんなわけで、今のオレ様の毛並みはふさふさだ。風呂は嫌いだが、毛並みがこんななるならたまにはいいかなと思っちまう。…やっぱり嫌だが。
そういえば、どうしてオレがこんな狭っちい部屋にいるのか。それは奴が甲斐甲斐しくオレの世話を焼きながら話してくれた。
どーやらオレは最後の最後でこいつと目があったらしーな。で、連れてけと目で訴えられたんだと。…フン、そこらへんの記憶はさっぱりないが、オレ様が他人に助けを求めるとかありえねー。オレはこの脳内お花畑野郎の勝手な思い違いで勝手にウチにお持ち帰りされ、さらには意識がない間に風呂にまで入れられていたっつーわけだ。
まあこの暖かいところに連れてきてくれた点は感謝しないこともないが…。だ、だが風呂の恨みは深いからな!精々オレ様にかしづきたまえや。
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