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そんなこんなでオレがうとうとしていると、さっきまではうんともすんともいわなかった腹の虫が息を吹き替えしたかのように鳴き始めた。
っおいおまえ!仮にも恩人の前で恥ずかしいじゃないかよ。
オレはなんとなく誤魔化すように尻尾をタシタシと床に打ち付ける。
うかがうように青年の方を見ると、またおかしくなっていやがった。
「可愛い…あのちょっと申し訳なさそうな上目遣いとかやばい」
うん、こいつは変人なんだな。なんとなくわかってたさ。それよりそんなとこで悶えるよりはやく飯をくれると有り難いんだが。
オレの願いが届いたのか、変人は悶えていたのを止め、次は難しい顔して考え込んでいる。
「俺って動物飼ったことないんだよな…。猫って何食べるの。人のご飯っていけるんだっけ」
呆れ果てたものだ。こいつは本当に思い付きでオレを拾ってきたらしい。
あぁ?食うものだって?そんなんザッショクに決まってんだろーが。オレ様に食わず嫌いなどないぜ。
オレがフフンとドヤっていると、それを聞いた奴はまだ悩んでいた。
「いやでも、君まだ子猫っぽいし…。子猫に固形物ってさすがにだめだろう」
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