寂れた墓参り

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お墓を倒したときからずっと 「夏なんてなくなればいいのに」 今でも心の一方向に置かれている 昔から寂れていた山のお墓はさらに寂れて 「僕の代で終わりにする!」 御先祖様は僕の願いを叶えてくれたのかもしれない。 「ありがとう」 なんて言えない…。それは御先祖様のせいじゃなく僕の怠惰な人生の結末 「夏なんてなくなればいいのに」 お墓参りと行っても普通の人のようにするワケじゃない 2リットルのペットボトルに水を入れて線香を持ち山に行くだけのこと 自殺した前の家の人が口酸っぱく 「山火事は怖い!」 が今にも耳に残っているけど 「大丈夫だろ?」 僕は線香に火をつけて供えるところもないお墓に線香を置いてそこら辺で採った草(葉っぱ)を供える。申し訳なさから隣の空いたお墓にも余った草を供える。 残されて倒されている墓石は悲しそうだか嬉しそうにもみえるのは罪の償いになっているのかはわからないけど 今年は下で紫色の花を採ったから少しだけ華やかな墓参りになったであろう。 良いか悪いかは知らん! 線香が山火事になっているかも? 毎年、思う不安だが いつもよりも多い線香と 悲しいだけじゃない 喜ばれはしないだろうが僕の優しさがお墓参りという形で今も続いているのだから…。 幸せってなんだろうね? 名前もなにもしらない寂れたお墓と僕の関係。 終わり。
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