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先輩と並んで歩く。
ああ、こういうの久しぶりだ。
サークルに参加してても人気者の先輩の周りには常に誰かがいるから、先輩と二人きりで話すなんて滅多にない。
「楽しかった?」
「はい。こんなに大勢でバーベキューなんて初めてで、楽しかったです」
「良かった。夏の終わりに今度は海でするから、参加したらいいよ。最後に花火をするんだよ」
今度は海か。楽しそう。
「はい。参加します」
ゴミ置き場に着くと、きちんと分別してゴミを捨てた。
水道で手を洗うと、先輩がハンカチを貸してくれる。
イケメンの上に、気が利くって、モテまくりだろうな。
そう言えば、この前片想いしてるって言ってたけど、どうなったんだろう?
「ありがとうございました」
僕は先輩にハンカチを返すと、何も聞かずに隣に並んだ。
興味本意で聞くべきことじゃないって判断したから。
「夏樹、ちょっと寄り道しよう」
先輩は僕をちらっと見て、広場とは反対方向に歩きだしたんだ。
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