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片想いの辛さは分かる。
僕もずっと櫂に片想いしていた。(実際は両思いだったんだけど)
でも、だからといって先輩の思いを受け入れることは出来ない。
「先輩、すみません。
僕、好きな人がいるんです」
僕の言葉に、先輩の抱き締める力が緩んだ。
「そうだね。
俺に、可能性は無いんだよね」
「……すみません」
謝ることしか出来ない。
こんなに素敵な先輩を振る人なんかいないと思ってた。
まさかそれが自分だなんて、夢にも思わなかった。
「ごめん。夏樹を困らせて、ごめんね」
先輩は僕から離れて、後ずさった。
「いえ……」
僕の声を聞いた先輩が、僕の腕を掴んだ。
「泣かせるつもりなんて無かったのに」
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